2024年10月、江戸川屋ランプさんがお付き合いがあるという中津川の「ランプの宿・渡合温泉旅館」に行ってきました。標高850m、宿の明かりはほぼランプのみ、電波も届かずトイレも簡易水洗しかないということで少し覚悟をして向かいました。
愛知県の北部に住んでいるので岐阜の中津川といえばわりと近場のイメージなのですが、このお宿があるのは普段行かない深い深い山の中。
「高樽の滝」を越えて宿に近づくごとにどんどん悪路になり、「どうか対向車来ないでください…!」と願いながらガタガタ進むこと数十分でお宿の駐車場に到着。近くにドクターヘリの看板があったりして、いかに人里から離れているかわかります。



お宿ではたくさんのランプと奥様が迎えてくれて、お風呂の準備を待つあいだ周りを散策。近くの今は使われていないキャンプ場では鉢合わせた野生のサルに激しく威嚇されました。
宿に戻って荷物を置くと、今度は宿の屋根を駆けていくサルと目が合いました。自然が近すぎる…!そしてちょっと想像以上だったのは、この年は全国的に夏にカメムシが異常発生しており、機密性ゼロと言ってもいいくらいスキマがある部屋の中に絶えず入ってきてはガムテープで潰す、という作業を絶えず繰り返さなくてはいけませんでした。一泊の間に50匹以上は処分したと思います。温暖化でカメムシが越冬してしまうと夏に増える、と何かで読んだことがありますが、やはり夏の異常な暑さが関係しているのかもしれません。
カメムシと格闘していると、すでにお風呂の準備ができていました。
冷泉を薪で沸かして使用している五右衛門風呂に浸かりランプを眺めながらのんびり。シャワーは湯量は少なめですが自家発電のお湯が使えます。
この日は長い夏が終わってようやく秋めいてきた日で、夕方から急激に冷え込んだのでストーブ(500円だったかな?)を部屋に貸し出してもらいました。
ここでのお楽しみはなんといっても豪華な夕飯。名物の特大五平餅、いわな酒、山菜と川魚のお料理…とても食べきれないけどどれも滋味深くておいしい!ちなみに現在(2025年3月)は特大五平餅は小サイズも選べるようになっているそうです。奥様が「この椎茸、サルに取られる前に取りに行ったの!」とおっしゃていて、食材も野生の動物と分け合いながら近くで調達しているそうです。



そして食後はもう一つお楽しみが。宿のご主人が部屋に各自が持っていくランプの取り扱いを説明してくださったあとで、他の宿泊客の方とご主人の考えたさまざまなレクリエーションを楽しむ時間があるのです(もちろん参加は自由です)。
詳しいことは「ネタバレになるのであんまりネットに書かないでネ」とのことでしたが、縄の結び方や火おこし体験などでキャーキャー言いながらとにかく楽しい時間でした。リピーターの方が多いというのうなずけます。


夜になるとトイレの自家発電電気以外はすべてランプの灯りのみ。ご主人いわく「ランプなんて私たちにとってはただの生活の道具なんだけどなー」ということだけど、やはりこれだけたくさんのランプに囲まれるとロマンあります。
翌朝もう一度お風呂をいただいて、朝ご飯も豪華で、お腹いっぱいでお宿を後にしました。
派手さはないけど、ご家族で丁寧におもてなししてくれる良いお宿でした。また違う季節(できればカメムシのいない季節)にうかがいたいです。
ランプ熱が冷めやらぬ帰り道、また飽きもせず江戸川屋ランプさんに寄ってDIETZのランタンを買って帰りました。
渡合温泉、かなりディープですが登山や釣りのお宿として毎年リピートする方も多いすてきなお宿ですのでぜひ機会があれば行ってみてください。
渡合温泉 ランプの宿 https://www.doaionsen.jp
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